1巻で完結する面白い漫画 オススメ9作品

ギガントマキア (三浦健太郎)

言わずと知れたベルセルクの作者、三浦健太郎氏のSF短編漫画。科学文明が滅び文明が退化してしまった世界で古の巨人兵器を使って世界を支配しようとするものと同じ巨人兵器を操りながら弱きもののために戦う主人公の戦いを描いた作品である。

はっきり言ってこれは一巻で収まるような内容ではないけれど、構成もよくまとまっていて見た後に晴れやかな気分になれます。

ダークな作風ばかり取りだたされる三浦氏の好きなものをごった煮にしたような内容は作者が本当に描きたいものを書いたんだなという明るい気持ちが伝わってきて一読の価値ありです。

逆に、ベルセルク未読の方がギガントマキアから読んでしまったらベルセルクのトラウマ度がさらに上がること間違いなしです。

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溶解教室(伊藤潤二)

1巻で完結する面白い漫画として、伊藤潤二作の溶解教室を推薦します。

とある高校に転校してきたメガネの美青年・阿澤夕馬と知り合った有須慶子は、彼の「謝罪魔」とも言えるほどの重症な謝罪癖に興味を持つが、その直後怪しく奇っ怪な少女に付け狙われる。

その少女は夕馬の妹だった…。妹の口から話される夕馬の恐るべき正体とクラスメイトに起こり始める異変に慶子は巻き込まれていく…。

伊藤潤二の作品らしく、グロテクスな描写や恐怖性がありますが、正直言ってギャグの範疇で、とてもおもしろいです。

杏奈と祭りばやし

杏奈と祭りばやし

大和和紀さんの掌編で、「はいからさんが通る」の最終巻に同時収録されていたお話

知的障害があるけど心優しきドラおじさんが、ある時捨てられた少女と出会います。ドラおじさんはこの少女を引き取って、育てることにしました。「あんなのほしい」と少女はよく口にするので、その子に「杏奈」という名前をつけました。

一生懸命育てた杏奈も年頃になり、彼ができます。彼に求婚されるも、今まで育ててくれたおじさんを置いていけず、断る杏奈。それを知ったドラおじさんは、ある祭りの日に杏奈を迎えに来た彼の車に、無理やり杏奈を乗せて、彼の元へ旅立つよう仕向けます。

その日ドラおじさんの唯一の特技だった祭り太鼓を、杏奈を思いながら叩きます。そしてドラおじさんは太鼓のやぐらにもたれかかりながら、静かに亡くなります。

時は流れ、夏祭りの夜。2児の母となった杏奈が、ドラおじさんのことを思い出して、この物語が終わります。
人情です、愛です、泣けます。隠れた名作です。

森山中教習所(真造圭吾)

1巻で完結する面白い漫画は、真造圭吾著の「森山中教習所」です。

ストーリーは主人公の脱力系男子学生が、ヤクザが運転する車にはねられ、ヤクザになった高校の同級生と再会します。

連れて行かれた先は元中学校の非公認自動車教習所で、主人公はヤクザと一緒に、なりゆきで運転免許を取ることになります。

松本大洋を彷彿とさせる絵柄で、ゆるいユーモアを交えながらもどこか哀愁が漂うお話がとてもおもしろいです。
特に、夏に読むのがオススメです。

ココ・シャネル(高口里純)

文庫の漫画ですが。私的には面白いなと思いました。

有名なデザイナー、シャネルの生涯を描いた作品で、彼女の生き方・考え方・恋愛模様などが書かれています。

どういった過程でシャネルが一流のブランドになっていったかが、漫画という読みやすい文庫で紹介されています。

1巻で終了するのが不思議なくらい彼女の一生は波瀾万丈なものだったと思うのですが、女性のサクセスストーリーとともに、仕事に生きる女性の寂しさなども描かれていて、なんだか切なくもなる漫画です。

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チキン(村上真裕)

「あなたは臆病者と呼ばれる度胸がありますか?」

主人公の城島英児は、ボクシングWBCミドル級チャンピオン。
城島は世界チャンピオンにも関わらず人気がなく、敵地での防衛戦を強いられます。

なぜ人気がないかというと、城島は相手のパンチを神技的なディフェンスでかわすばかりで、
虫も殺せないようなパンチでポイントを稼いで判定勝ちを続ける「チキン(臆病者)」ボクサーだったのです。

実は城島は過去にはKOを連発するハードパンチャーだったのですが、試合で大きな過ちを犯してしまいます。
その後リングを逃げ回る「チキン(臆病者)」としてボクサーを続ける城島の覚悟には胸が熱くなります。

蝶々のキス (片岡吉乃)

中学生の女の子が主人公の少女漫画です。女の子は学校や家庭で切ない環境で生活しているのですが、少し変わった同じクラスの男の子が気になってきます。そんな少女の青春時代を描いている作品です。

いくつか少女漫画を読みましたが、この作品ほど美しい描写はないのではないかと思います。風がぬけていくようで、季節を感じさせてくれて、少女の感情が頭の中に入ってくるような感じがします。言葉で表現してお伝えするのがとても難しいです。青春時代を思い出せてくれる作品です。

忘れ雪の降る頃―高尾滋作品集 (高尾滋)

タイトル通り高尾滋短編集。少年少女の淡く揺れる心を柔らかいタッチで描いています。初期作品「帝都南天隊」も収録。高尾滋の歩みが分かる珠玉の一冊です。

表題作の「忘れ雪の降る頃」は突然お付き合いしていた先輩に振られるところから始まる恋物語です。

それまで是しか言わなかった少女が自分の意思を出していくさまと不器用な先輩の心情を、決して直接的に説明せずに表情や間を使って表現しています。温かさと切なさが作品達は、読み終わった後こちらまで優しい気持ちにしてくれます。

独裁者グラナダ(杉本亜未)

単行本「独裁者グラナダ」には、表題の「独裁者グラナダ」と「Birthday」の2つの話が収録されています。

「独裁者グラナダ」
なんとも魅力的なクレイアニメーションを見た雑誌編集者の中田が、作者の鳴瀬の暴力シーンを見てしまい、それでも鳴瀬の持つ魅力に理不尽にも取り込まれていく…。

おおすじはこんな感じですが、鳴瀬がどうにも生き急いでいる、それがどうしてなのかはこの物語のおしまいちかくで明かされます。
ずいぶん前に「独裁者グラナダ」を読んだときはただ圧倒されたという記憶がありますが、最近読み返してみて、自分の人生がどのくらいの年齢で幕引きになるとわかっていたらどんな生き方をするだろうかと考えさせられました。

きっとのんべんだらりとした生き方を改めようと思うだろうし、それでもしばらくしたら元の黙阿弥になるかもしれないし。
一度読んでみていただきたいお話です。

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